最近、ホテル暮らしが続いており、都市と地方を出入する生活をしています。
そんな家を持たないホテル生活を始めてから1つ、気づいたことがあるんです。
それは、
都会生活が疲れる理由です。
地方で伸び伸びと心が晴れていても、都市部に入ると消耗する自分がいました。
その本質的な理由を考えてみたところ、ずばり、
意思決定が増える説
が浮上。
その原因は「人口密度の高さ」によるものです。
一平方メートルあたりの人口が多いからこそ、都会では意思決定が「無駄に」増えていると気づいたんです。
人口密度が高いと、人とすれ違う頻度も相乗して高くなります。
例えば、まっすぐ歩いていた時、正面から歩行者が出現したとします。

この場合、何もせず歩き続けるとぶつかるので、
- ルートを変更する
- マイルートを譲ってもらう
のどちらかにするか、という意思決定が生じます。
正面の相手が左か右のどちらに行きそうなのか?
を「靴の向き」や歩行速度、加速度などを細かい動きから推測し、ぶつかる前に方向ルートを確定せねばなりません。
「ぶつからないための意思決定」は本質的には何も生まず、何の役にも立ちません。
ぶつからないで歩けることぐらいですよね。
そして、この無駄な意思決定が都会で生活していると実に多いのです。
1日に1回ではありません。
それこそ繁華街をぶらつけば、10秒に1回、いや、5秒に一度、いやいや、2秒間隔で「意思決定」が生じるではありませんか。
それではなぜ意思決定が増えると疲れてしまうのでしょうか?
その答えは『シリコンバレー式超ライフハック』という書籍で、
意思決定疲れ(decision fatigue)
という言葉で説明されていました。
エネルギーの超過引き出しをしたら、ACCはうまく反応しなくなり、意志力は枯渇する。悪い意思決定をしてしまうのはそんなときだ。この現象は「決定疲れ」と呼ばれている。決定の回数が多くなるほど判断力が低下することを意味する言葉だ。
デイヴ・アスプリー. シリコンバレー式超ライフハック (Japanese Edition) (Kindle の位置No.498-501). Kindle 版.
人間の脳における前帯状皮質(ACC)が、意思決定を下す時にエネルギーを消費します。
意思決定回数が多くなると、エネルギー不足に陥り、意思決定の質が徐々に落ちます。
これが「意思決定疲れ」です。
この特性は多くの商業施設で利用されており、例えば、スーパーやコンビニ。
なぜレジ前にキャンディーやガム、ファミチキが置いてあるのか?
そのからくりは、意思決定疲れを利用しているからです。
店内で商品を選ぶときすでに意思決定を数回おこなっています。
終盤のレジ前に小さい商品を置けば「決定疲れ」した消費者が愚かな意思決定をして買ってくれる可能性が高いからです。
脱線しましたが、それゆえ、
都会では「人を避ける意思決定」が秒刻みで発生しているのが疲れる原因だと思われます。
都会生活者のすべてがこの疲れを感じるため、都市人全体が疲れている、イライラしているように見えるのかもしれません。
それではどうやって、都会生活者は「意思決定数」をおさえられるのでしょうか?
『シリコンバレー式超ライフハック』では、有限の意思決定力を温存するためのコツも紹介されていました。
その1つが「カプセルワードローブ」です。
あなたも同じような服装のバリエーションを確立すれば、毎日何を着るかで悩まなくてよくなる。これは小さな意思決定のようだが、有意義なことに使える脳エネルギーをたくさん節約してくれる。女性より男性のほうが簡単ではあるだろうが、男女とも、スティーブ・ジョブズとまではいかなくても、カプセル・ワードローブ〔ミニマリストが提唱する、最低限のアイテムに限定したワードローブ〕を持つことはできる。
デイヴ・アスプリー. シリコンバレー式超ライフハック (Japanese Edition) (Kindle の位置No.538-543). Kindle 版.
ズバリ、毎日服を着るものを決めて、だいたい同じ服を着る戦略です。
服を選ぶ意思決定数を節約できるので、有益なことに意思決定を温存できるのです。
マックザッカーバーグがほぼ同じ服を着て生活しているのは意思決定数の節約の効果があったのですね。
これはわたしも本能的におこなっていたことで、数年前からファッションを固定していました。
- 下は黒ズボン
- 靴は黒
と、下半身を固定するスタイル。
下半身を固めれば、後は上に羽織るだけですから、意思決定数を節約できます。
今後はファッションの意思決定だけではなく、生活場所を選ぶ際にも、
いかに意思決定数を少なくするのか?
も1つの判断基準としたいですね。
それでは!
Lin

おそらく、ブロガー。
今年でフリーランス 6年目。