減価償却の定額法の計算方法って??
固定資産の購入費用を経費にする時に活用するのが
減価償却(げんかしょうきゃく)
です。
簡単にいうと、
長く使うんだから購入費用を一発で経費にすんなよ?
数年にわたってちょくちょく経費にしていこうや
という試み。
この減価償却には
- 定額法
- 定率法
- 少額償却
- 一括償却
などいくつか種類があります。
>>詳しくは「フローチャートでわかる!減価償却の種類」へ
具体的にいうと、
- 確定申告の種類(青色か白色か)
- 購入金額(10万以上なら減価償却する)
- 事前に届出をしているか
によって種類を選びます。
今回紹介するのはそのうちの「定額法」です。
こいつは、
- 青色申告で、30万円以上の固定資産
- 白色申告で、20万円以上の固定資産
のケースが対象になりますよ。
この場合、定額法だけでなく「定率法」も選べますが、これは事前に届けが必要。
ゆえに、確定申告までに届出をしていない人は「定額法」を選ぶことになりますね。
残念ながら、ぼくも定額法に該当。
青色申告で、30万円以上の固定資産を購入。
事前に「所得税の減価償却資産の償却方法の届出手続」を提出していなかった身です。
定率法の準備をしていなかったので定額法で減価償却することに。
今日は確定申告を機に、減価償却(定額法)の計算方法を整理してみました。
減価償却(定額法)計算方法
減価償却の定額法とは、その名の通り、
毎年定額ずつ「減価償却費」として経費にする方法。
そして、最後に「1円」を残します。
1年度あたりの減価償却費は次の式で求められますよ。
$$\frac{購入金額}{耐用年数} × \frac{使用月数}{12}$$
耐用年数
さて、キーワードは「耐用年数」。
資産ごとに異なる寿命のことで、長く使うものほど耐用年数は長くなります。
例えば、パソコンならば4年、自転車ならば2年。
資産の種類によって寿命が変化します。
固定資産の種類 | 耐用年数 |
---|---|
パソコン | 4年 |
カメラ | 5年 |
マネキン人形 | 2年 |
気球 | 3年 |
時計 | 10年 |
詳しくは国税庁のページを確認してください。
購入金額
固定資産の購入金額ですね。
例えば、60万円のMacBook Proを購入したら「60万円」が購入金額です。
使用月数
1~12月の12か月間のうち、何ヶ月使ったのか?
これが「使用月数」です。
固定資産を年度始まり1月に購入する、なんて奇跡はそうそう起こりませんからね。
年度途中で購入した場合、年度における「使用月数」も考慮しようぜ、というわけ。
例えば、7月17日に60万円のMacBookを購入したとしましょう。
この場合、7〜12月で「6ヶ月」使用しているので、この年度の「使用月数」は6ヶ月です。
例題
それでは、実際に定額法で計算しましょう。
例えば、7月17日に606,204円のMacBook Proを購入した男性を考えてみます。
ポイントはやはり「使用月数」。7~12月までの6カ月間なので使用月数は「6」です。
$$\frac{購入金額}{耐用年数} × \frac{使用月数}{12}$$
という公式に、
- 購入金額:606,204円
- 耐用年数:4年
- 使用月数:6
を代入すると、
$$\frac{購入金額}{耐用年数} × \frac{使用月数}{12}$$
$$=\frac{606,204円}{4} × \frac{6}{12}$$
$$=76,776円$$
と出てきますね。
とどのつまり、初年度に経費にできるMacBook Proの購入金額は、
76,776円
となります。
(いやあ、まじかよ!?全然経費にできてないじゃん!?汗)
606,204円中の76,776円なんて12%じゃないっすか!?
次の年度は?
ついでに、次年度の減価償却費も計算しましょう。
次年度はフルフル12か月使うので、使用月数は「12」。
公式で計算すると、
$$\frac{購入金額}{耐用年数} × \frac{使用月数}{12}$$
$$=\frac{606,204円}{4} × \frac{12}{12}$$
$$=151,551円$$
になります。
最終年度は1円を残す
がしかし、これで終わらないのが定額法。
1円を残して減価償却を終了するのです。
この1円のことを「備忘価額」と言って、固定資産を破棄・売却するまで1円を残す決まりになっています。
とどのつまり、固定資産を保有する限りは「その存在」を記録しておこうというわけ。
さて、最終年度5年目の経理もみてみましょう。
この場合、すでに耐用年数「4年」のうち「3年6ヶ月」を償却したので残りは6ヶ月。
ゆえに、使用月数は「6」で計算し、最後に1円を引くだけ。
次のように計算できるはずです。
$$\frac{購入金額}{耐用年数} × \frac{使用月数}{12} – 1$$
$$=\frac{606,204円}{4} × \frac{6}{12} – 1$$
$$=76,775円$$
年度始めに固定資産を購入すると、なおよし
ふむふむ、なるほどね。
こんな感じで減価償却の定額法は計算がわりと簡単で助かります。
なんせ、毎年同じ金額を減価償却費として計上すればいいですから。
注意点は「使用月数」でしょう。
年度途中で購入した場合、使用月数を考慮して計算せねばなりません。
そう考えると、
高額資産は1月に購入したほうが経費にしやすい
という事実が浮かび上がってきます。
30万円超えのMacBook Proを男気で買おうとしている方は「1月の到来」を待ちましょう。
それでは!
Lin
【参考図書】
フリーランスのための超簡単!青色申告(2019-2020年度版)

おそらく、ブロガー。
今年でフリーランス 6年目。