パソコン購入前に知っておきたい減価償却の話
近年、パソコンで仕事するフリーランスが増えてきました。
ライター、ブロガー、動画クリエイター、プログラマー、イラストレーターなどなど。
多くの方がデスクワークに励んでいますね。
そんな方々は、毎年と言わずとも、数年に1度はパソコンを買い換えるでしょう。
そんなパソコンを新調する予定のプレイヤーが知っておきたいのは「減価償却」についての話。
ポイントは次の3つです。
1. できれば青色申告しよう
減価償却をするなら、青色申告が絶対的に有利です。
青色か?白色か?
という「確定申告の種類」によって明暗がわかれるのです。
その理由は、一括で経費にできる上限金額にあります。
青色申告ならば、30万円まで一括で経費にできるのです。
「少額減価償却資産の特例」というもので、平成18年度〜令和2年度まで使える制度。
青色申告の個人事業主ならば、30万円までの固定資産を一括で経費にできるのです。
つまり、30万円未満までのパソコンならば、一発で経費に出き、数年で経費にする必要はありません。
一方、白色申告の場合、一発で経費にできるのは「10万円未満のパソコン」のみ。
20万円未満ならば「一括償却」を適用して、3年で均等に償却できます。
しかし、耐用年数4年のパソコンにとって、1年しか償却期間が縮まらず、それほどお得感はありません。
このように、青と色では天と地の差があります。
パソコンを新調するならば青色申告をしておくべきです。
「えっ、簿記を知らないから青色はむり?」
そんな経理初心者の方も、クラウド会計ソフトなら青色申告できるのでご安心を。
ぼくはfreeeを使って無事に青色申告していますよ。
2. できれば「年度始め」にパソコンを買おう
数年スパンで経費にしていく減価償却。
青色申告なら30万円以上のパソコン、白色申告なら10万円以上のパソコンで、数年で経費にするケースを考えましょう。
この場合、年度初めにパソコンを買ったほうが早く経費にできます。
個人事業主にとっての「年度初め」とはつまり「1月」ですね。
なぜなら、減価償却の計算では「使用月数」を考慮するからです。
具体的にいうと、
$$ \frac{使用月数}{12}$$
という変数を計算式にかけねばなりません。
例えば、定額法の計算式では、
$$\frac{購入金額}{耐用年数} × \frac{使用月数}{12}$$
で償却費を計算しますからね。
年度初め「1月」に買えば、使用月数は「12ヶ月」になるので、
$$ \frac{使用月数}{12}$$
$$ = \frac{12}{12}$$
$$ = 1$$
になります。
一方、7月に買えば、使用月数が「6ヶ月」なので、
$$ \frac{使用月数}{12}$$
$$ = \frac{6}{12}$$
$$ = 0.5$$
を初年度の償却費にかけなければなりません。
とどのつまり、購入月が「1月」と「7月」では初年度の償却費が「倍違う」のです。
年度終わり(12月)に購入すると、さあ大変。
使用月数は「1」なので、
$$ \frac{使用月数}{12}$$
$$ = \frac{1}{12}$$
$$ ≒0.08$$
「0.08」という変数を償却費にかけるので、初年度の経費はとんでもなく小さくなります。
年度終わりに経費を増やすために、高額のパソコンを購入しても節税効果が期待できないというわけ。
3.「定額法 or 定率法」だったら「定率法」
青色申告ならば30万円以上、白色申告ならば10万円以上のパソコンを購入した時は、数年に渡って購入金額を経費にしていきます。
詳しくはパソコン購入時の減価償却フローチャートでも書きましたが、その場合、
- 定額法
- 定率法
の2択で迷うでしょう。
ズバリいってしまうと、
圧倒的に「定率法」がお得です。
まず経費にできるスピードが早いです。
初年度でみると、定額法の2倍経費にできます。

また、年度途中の購入にも強いのが定率法です。
定額法ならば、年度途中にパソコンを購入すると、減価償却し終わるまで5年度かかります。
一方、定率法は年度途中だろうが大丈夫。4年度きっかりで減価償却が終わります。
ここまで差が出ると、定率法を採用しない手はないですね。
ただ、定率法を採用するために「所得税の減価償却資産の償却方法の届出書」の提出が必要。
書類提出がめんどくさい方は定額法、書類を提出してまでも節税したい方は定率法で減価償却しましょう。
それでは!
Lin

おそらく、ブロガー。
今年でフリーランス 6年目。