ふるさと納税の仕組みが複雑すぎてわからん!
どうも、Linです。エンジン、ふかしてます。
地方自治体にお金を寄付すると、2,000円以上の価値がある返礼品を実質2,000円負担でもらえるという人気のふるさと納税。
その甘い言葉をきくと利用したくなるのですが、ふるさと納税の仕組みは結構複雑。
なかなか理解しずらい
のが現状です。
そこで今日は、ふるさと納税の本を3冊読み、実際にふるさと納税してみた僕が、
ふるさと納税の仕組みを完全図解で解説していきます。
3分で簡単わかりやすい!ふるさと納税の仕組み
まずふるさと納税の流れからですね。
ふるさと納税は好きな地方自治体にお金を寄付することから始まります。

そのお返しとして「返礼品」が、その寄付先の地方自治体からもらえます。

しかし、これで放置してしまうと、ただ寄付して返礼品をもらっただけになってしまいます。
ここでやらなければいけないのが確定申告。
寄付した金額を申告してアピールする必要で、確定申告はお住まいの市区町村の税務署でおこないます。


確定申告でふるさと納税の寄附金控除を適用してやると、所得控除額が増えて自分の「所得」が減ります。
所得が減ると、所得税が減ることになりますね?
この所得税が減って得する金額をふるさと納税の「所得控除」と呼んでいるわけです。

で、さらに所得が減ることで恩恵を受けるのは所得税だけではなく、住民税もです。
住民税は課税所得の10%でしたので、寄附金控除で引いた金額の10%の控除を受けられるわけです。
この住民税の控除を「住民税控除の基本分」と呼んでいます。

さらに、ここだけで終わらないのがふるさと納税。
住民税の控除に関しては基本分だけではなく、「特例分」というものが存在しています。

これはどういうことかというと、特例分控除は
100%から所得税率と住民税率10%を引いた残りのパーセンテージを寄附金控除額にかけた金額
になります。
これらすべての
- 所得税控除
- 住民税控除(基本分)
- 住民税控除(特例分)
をすべて合わせると、ちょうど寄附金控除額になるというわけです。
なにせ、すべての税率を足したら100%になるように調整されていますからね。
で、この寄附金控除額になるのは、ふるさと納税で寄付したお金すべてというわけではなく、
寄付金額から2,000円引いたもの
というルールがありますので、
「ふるさと納税では実質2,000円で返礼をゲットできるよ?」
とうたっているわけです。
これらのふるさと納税の仕組みをすべて図にしてやると、こんな感じになります↓

プレイヤーとして、
- 自分
- 寄付した地方自治体
- 自分が住んでる地方自治体
- 自分が住んでいる市区町村の税務署
などなどができますので複雑ですが、一旦整理してやれば意外にわかりやすいと思います。
ふるさと納税は寄付しまくればいいわけではない!
ただし、ふるさと納税の限度額に注意です。
こちらの総務省のページによると、
特例分(3で計算した場合の特例分)が住民税所得割額の2割を超える場合は、上記3’の計算式となります。この場合、1、2及び3’の3つの控除を合計しても(ふるさと納税額-2,000円)の全額が控除されず、実質負担額は2,000円を超えます。
と書いてありますので、実質2,000円で返礼品が受け取るには条件があり、
「住民税の控除の特例分」が「住民税所得額の2割」以下になる
を満たしていないといけません。
限度額よりも多く寄付してしまうと、実質2,000円で返戻金を受け取れるという特典はなくなってしまうので要注意です。
詳しくはこちらの「ふるさと納税計算式」を読んでみてくださいね。
ふるさと納税の仕組みを理解するための具体例
ふるさと納税の仕組みを理解するために具体例を見ていきましょう。
例えば、28歳の独身男性(所得税の課税所得275万円)がいたとしましょう。
所得税率の表を見てみると、所得税率は10%であることがわかりました。
これをもとにふるさと納税の限度額を計算してみたところ72,000円。
調子に乗って寄付金6万円で京風おせち2段セットという返礼品がもらえる岐阜県美濃加茂市に6万円寄付しました。

https://www.satofull.jp/upload/save_image/00003011190_01_20181115174954.jpgより
その結果、寄附金控除額は寄付金6万円から2,000円を引いた58,000円。
まず所得税の控除は寄附金控除額58,000円の10%受けることができますので5,800円お得に。
さらに、住民税の基本分に関しては寄附金控除額58,000円の10%なので5,800円お得に。
さらにさらに、住民税の特例分では、所得税率10%と住民税率10%を足したものを100%から引いた80%を寄附金控除額58,000円にかけた金額が控除されますので、
寄附金控除額58,000円×80%
= 46,400円
という金額を控除できることになります。
これら
- 所得税控除:5,800円
- 住民税控除(基本分): 5,800円
- 住民税控除(特例分):46,400円
の控除金額を足し合わせてみると、
5,800 + 5,800 + 46,400= 58,000円
になるのです。
これは寄付金6万円から2,000円を引いた寄付金控除額58,000円と同じですね。
したがって、彼は6万円岐阜県美濃加茂市にふるさと納税で寄付して、58,000円の控除を受け、実質2,000円で京風おせち2段セットを手に入れたことになります。
ふるさと納税ははたしてお得なのか??
なるほど。
実質2,000円でふるさと納税の返礼品がゲットできることはわかりました(限度額を超えなければ)。
しかしながら、このふるさと納税というのは本当にお得なのでしょうか?
やはり美味しい話があると疑ってみたくなるのが人間の本能です。
こうやって仕組みを見ていますと、最大のポイントは
ふるさと納税した瞬間に今すぐ寄付金控除を受けられない
っていうところだと思います。
つまり、このふるさと納税の金額が返ってくるのは、ちょっと先の話になるということですね。
具体的に言うと、ふるさと納税の控除が自分に戻ってくるのは、
- 確定申告で所得税を納める翌年3月(会社員の方は翌年の毎月の源泉徴収額)
- 前年度の所得をもとに住民税の支払いが始まる翌年6月以降
になります。
さらに住民税を分割で払っている方は翌年6月から翌々年1月にかけての長期戦となることが予想されます。
ふるさと納税の寄付金控除は返ってくるには時間がかかるというわけですね。
そのため、ふるさと納税をする際に知っておきたいのは
ふるさと納税をするお金の機会費用です。
利率が高い投資には回さず、ふるさと納税で寄付して、未来の控除を待つことを選択したため、今すぐできる投資の機会を損失しているということになります。
今の1万円は未来の1万円とは同じ価値ではない
ということを肝に銘じてふるさと納税をするようにしましょう。
ふるさと納税に興味が出てきた方はさとふるで返礼品を探してみてくださいね。
それでは!
Lin

おそらく、ブロガー。
今年でフリーランス 6年目。